【ダウンヒル用MTB ホイール組のおはなし】

先日に引き続きロッキーマウンテン メイデンの組立のお話。

バラ完の中で筆者が最も困難な作業(というか不慣れ)と思うのが『ホイールの手組み』。
エンド幅がフロント110mm、リア157mmと完成車ホイールでは種類が少ないため、手組で自分なりのを組んじゃえということで手組みに。

昨今はホイールと言えば出来合いの製品(工場で組んでくる)が多いため、久々に手組みは忘れてることも多くえらい難しい。(苦笑)
今では手組みの対応は1年に1回あるかないか・・・改めて依頼を受けると職人の血が騒ぎます。(?)

一昔前は手組みが当たり前だったそうで、一般車(ママチャリ)の組立はホイールから組んでいたらしく、そのせいで腱鞘炎になったとか・・・昔の人はすごいですわ。いやはや、今はいい時代ですね。

まずホイールの構成は以下の通り。

・リム ⇒ 穴数が重要。(28H、32H、36Hが主流)
・ハブ ⇒ 穴数が重要。リムの穴数と合わせないとだめ。
・スポーク ⇒ 穴数 = 本数、そして長さの計算が必要。

上記の通りまずスポークを通す穴数によりスポークの本数が決まります。リムとハブの穴数を間違った時点でやり直しでえらいこっちゃです。(^^;

そして一番大変なのがスポークの長さ計算なんですよね。
スポークの長さは1mm単位でだいたい200mm~300mm前後の範囲であるので、その都度発注となります。
なお当店ではほぼ全種(#13が多め)揃えてあるという・・・昔の名残ですね。

スポーク長の計算でいつも参考にしているサイトが以下の『自転車探検』のサイトのスポーク長計算機。



こちらのサイトのおかげで電卓を打たなくても済むのでまだ楽なほうですが、ロックナット-フランジ間距離の出した方がいつも戸惑います。(苦笑)

更に組み方にもスポークの組み方にも6本組・8本組があったり、スポーク自体にも太さ(#15、#14、#13)があったりと、手組によるホイール組はものすごい拘りができます。

今回は『JIS 6本組 #14スポーク』となります。


まずはハブ穴にスポークを通していきます。


全部通すとこのように。地球外生命体?


ニップルを取り付ける前準備としてグランジのニップルツールセットを使います。ニップルを簡単に締められてとても便利で重宝してます。


リムにスポークを通していきます。この作業中に別の作業が入ると・・・大変です。(苦笑)


片面ができるとこのように。反対側も同じように通していきます。


全てスポークを通したらいよいよ縦・横の振れ撮り作業です。


タイヤをはめて完成。


大変な作業かと思われますが、大変です。(笑)が、自転車屋さんらしいお仕事で筆者は案外好きな作業だったり。

バラ完の完成までいよいよあと少し、といったところです。

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